2010年8月26-27

■というわけで、富士登山日記です。凄く長いです。

富士山に登ろうと思ったきっかけは、後輩のまいむさんに誘われたからです。当初は富士山に登るとか無理に決まってると思ってましたが、調べてみると登り方を間違えなければ誰でも山頂まで登れるということがわかり、気が付けばリュックやら何やら必要なものを揃え参加に至ったわけです。 今から1ヶ月半くらい前に唐突に高尾山に登ったのは富士山の予行練習、もとい登山靴の慣らしなどのためでした。
富士登山を考えたとき、最初は高速バスや山小屋などを個別で予約して登ろうと思ったのですが、いろいろ調べてみると以下のようなことがわかりました。


■ツアープラン
<メリット>
・バスがずっと同じで混雑することもない。
・費用が安い。
・割引サービスあり。
・面倒な手続き不要。

<デメリット>
・ぎゅうぎゅうづめで汚い山小屋に割り当てられる可能性がある。
・自由行動に制限がある。


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■個別のフリープラン
<メリット>
・好きな山小屋を選べる。
・他人に時間を合わせる必要がなく変更できる。

<デメリット>
・乗り換え時間などに気をつけないと路頭に迷う。
・費用がかさむ。
・個別に予約などが必要になってくる。




というわけで富士登山はツアーに参加したほうが手間もかからないし値段もほぼ一緒どころか、ツアーのほうが安かったりすることが分かり、結局ツアーに参加することにしました。日の出を見るのを諦めて日帰りも考えましたが自宅からでは距離的に無謀っぽかったので山小屋一泊コースで。



持っていった食料。
このゼリー飲料が意外に重くてあとあと苦戦することになります。

そして用意した飲み物はこんな感じ。
・VAAM(500ml) x2
・麦茶(300ml)

合計1.3Lほど。
あまりたくさん持っていくと重さにダイレクトに繋がるので足りなくなったら買う方向で。


<8月26日>
AM7:00
新宿でまいむさんと待ち合わせをして集合場所のバス乗り場まで行きバスに乗り込む。見回すと結構若い女の子も多い。そうか、これが巷で噂の山ガールか。「そんな装備で大丈夫か?」と問いたくなるほど小さなリュックで来てる女の子もいた。きっと四次元ポケットを持ってきているんだろう。子供や若いカップルやお年寄りや家族連れなど、総勢42名を乗せたバスは夜明け直後の新宿を後にした。

AM10:30
パーキングエリアで一度休憩を挟み、あっという間に富士五合目に到着。この時点で既に2000mを越えているので微妙に空気が薄い。かすかに頭痛がしていたのを覚えている。広場にはツアー客が大勢いてとても混んでいた。


五合目にある雲上閣というおみやげ屋やレストランなどが入った建物。
ここの3階にある休憩所で装備を整えたのち、2階のレストランで昼食を食べた。



出発前に食べた昼飯。焼きおにぎり(350円)。まだ空腹ではなかったので軽く済ませた。すでにここでは水は貴重品らしくタダで飲めるのは一人一杯まで。なんか凄く美味しそうにみえるけど実際美味しかった。
ストックを持っていなかったので売店で金剛杖(1000円)を購入。人によってはこの杖は邪魔にしかならないから買う必要はないと言われていたが、のちに買っておいて本当に助かったと思うことになる。でも付属していた鈴はいちいち五月蝿かったのですぐ剥ぎ取った。
そういえば、折りたたみ式ペットボトルに入れてきた麦茶がリュック内でこぼれて上着などの服がビショビショになってしまっており、これを乾かしたり拭いたりするのにかなり苦戦。しばらくフキフキしていた。もうこの時点で前途多難な予感がした。


PM0:00
予定の時間になったので広場に集まり準備体操や出発前の諸注意などを終え、一同はとうとう出発。登るのは吉田ルートなので、まずはほとんど平坦な道を進む。



出発してすぐにいたのがお馬さん。銭を払えば7合目まで運んでくれるそうな。壁に向かって"反省"してるようにみえた。切ない。


景色は曇っていて何も見えない。途中下山してきた人とすれ違う。彼らからは並々ならぬオーラを感じた、かどうかは定かではないが、割と疲労感は見て取れなかった。なんだ、大したことなさそうじゃん。このときはそう思った。だがしかし。(多分疲れてなさそうに見えたここに写ってる子供とかは頂上まで行く前に引き返してる。荷物の量的にも。)



馬車。最大10名くらい乗せてひけるそうな。なんか凄く可哀想に見える。がんばってください。




しばらく進むとますますガスってきた。まだほとんど平地。道中まいむさんとしゃべりまくっていたら急に呼吸が苦しくなったのを覚えている。高山病にならないように一転会話を控えだんまりモードに徹した。



<6合目到着>
時間を覚えていないのでどれくらい歩いたか分からないが、大して上り坂に遭遇しないうちに6合目に到着し最初の休憩。


何も見えない。夢も希望も見あたらない。




見上げるとこんな感じ。頂上は見えない。



毛がキレイなお犬さまがいらっしゃった。どこまで行かれるんです?



みんなが手に持ってるのが金剛杖。こう見えて割と軽くてしっかりした作りの6角形の棒。これを自分も持って進んだ。老人ごっこ。



そして6合目を後にし出発。
この変な壁は落石を防止するために設けられているものらしい。なんだか人工物っぽすぎて山登ってる気がしない。




永遠と続くギザギザ道。やっと登山らしく上り坂に。




お犬さま2匹目。犬は高山病にはかからないのかな。道には草木が全くはえてないけど散歩してて楽しいんだろうか。




曇ったり晴れたり。徐々に7合目の山小屋が見えてきた。少し呼吸が苦しいが疲労感は全くなく元気に登っていった。




見下ろすとこんな感じ。相変わらずガスっていて遠くは見えず。





7合目の山小屋はもう目の前。




そして到着7合目。金剛杖に焼印を押してもらった。
ちなみに10合目が頂上です。




7合目にいた3匹目のワンコ。多分ずっとここにいるので高山病にはかかってなさそう。こんな場所でずっと飼われてるのか。




山頂まで残り3.8km。なんだ余裕じゃん?このときはそう思った。












そして出発する一行。この写真は他のツアー客も混ざってる。人は多い。




さっきまでの人工的な山道が一転して、岩場に。このあたりから勾配が急になり山らしくなってきた。


人が多いのでゆっくりと注意しながら。





もくもくと登って行く。




気が付けば雲の上。




7合目の山小屋。8合目まではまだ遠い。




雲が晴れて下界が見渡せるようになってきた。




もうかなり登ってきた。




鳥居が。あと岩場がすごく急な感じに。








休憩中。
呼吸を整えながら登っていたのでそんなに苦しくはなかった。




先が見えない。



だんだんみんな疲れが出てきた。



再び下界の様子。




やっぱり先が見えない。




見下ろし視点。澄み切ってると思ったらあっと言う間にガスってしまい景色が見えなくなる。




まだ気分が悪くなってる人も出てきてはいない。若い人も年寄りも問題なく登れている。



8合目はもうすぐ。




もうすぐ・・・?




8合目の自分たちが泊まる予定の山小屋『太子館』がみえてきた。屋上のおっさんがこっちを見ながらおーいと手を振っていたのを覚えている。




最後の急な岩場。




太子館に到着。




時間は確か17時くらい。これからこの山小屋で夕飯を食べ、夜の12時ごろまで仮眠を取ることになる。




山小屋からの景色。クリックで大きいのが見れます。



太士館での夕飯。カレーの量は凄く少なかったけど、ご飯のおかわりができました。ごちそうさまでした。味は普通。



夕飯の様子。



そして2段ベッド…いやベッドではないな。こういうクソ狭いところで就寝。上の段が凄く高くて上り下りに苦労した。


そして気付けばペットボトルの麦茶が再びこぼれていて寝袋がビショビショになる。
テンションガタオチ。


しかしこのあと、更なる地獄が待っていようとは、このときはまだ知る由もなかった…。


後半へ続く