2009年8月22日 |
■というわけで行ってきました。なんとか生還。 走行距離100km&輪行&峠越えと初体験づくしな日帰り日光サイクリングです。 ちなみにデジカメはLUMIX G1ではなくXacti持って行ったので写真の画質は低いです。そして結構長いです。 それでは思い出しながら書き出してみます。 -------------------------- AM4:30起床。天気は曇り。 朝食を取り準備の確認をし、HH8.0で大宮駅まで行き輪行バッグに詰めAM5:50に改札前でまさしろさんと合流。電車に揺られること2時間、日光に到着。 初めての輪行日帰り自転車旅行の始まりです。 日光線。途中まで学生がたくさん乗っておりました。 日光駅は終着駅。 標高543m。天気は曇り。雨は降っておらず暑くも無く寒くも無くでちょうどいい天候。駅につくと早速輪行バッグを開き、ハンマーヘッド8.0を組み立てます。右に写ってるのはまさしろさん。 準備を整え、日本ロマンチック街道を北上します。 このときはまだ、のちにあのような地獄が待っていようとは知る由もなかったのであった…。 途中の二荒山神社神橋。 疲労的には全然余裕。この程度なら大してきつくないんじゃないの?みたいなことを思いつつしばらく走らせます。 まずは一つ目の峠であるところのいろは坂アタック。いろは坂と言えば昔スキーに行くときしょっちゅう車で通っていたのですが、あの坂を自転車で登ると考えると「絶対無理だろ…いや俺のハンマヘちゃんならあるいは…?」なんて思っていたわけですが…世の中そんなに甘くはなかったのであります。 街中で自転車を走らせていると坂はあれどここまでずっと上り坂ポイントというのはほぼ無いわけで、そりゃママチャリとは全く違いますし車体も軽いので最初数百メートルは結構軽く上れてしまうわけです。が、軽々上っている間も確実に体力ゲージは減っていくわけで、しまいにはインナーの一番軽いギア(HH8.0の場合はフロント44Txリア28T)で漕いでいるのにも関わらず回すのが物凄く大変になります。それでもなんとか登っていきました。しょっぱなからこれじゃこの先どうなってしまうんだと思わざるを得ない状態でした。 途中の休憩ポイント。500m進んでは休み、500m進んでは休みを繰り返しました。休んだ直後のペダルは軽い。この状態を維持できるのならば絶対余裕だと思えるほどに。まぁ、20秒足らずで元通り疲労度MAX状態になるんですけどね! 勾配グラフでいうとこのあたり。急だったり比較的緩やかだったりを繰り返します。 いろはにほへとちりぬるを…と看板を横目で流しながら進んでいくと、ようやく頂上付近の明智平に到着です。ここからの景色はとても良いらしいのですが、あいにくの天気のためほとんど霧に覆われていて見ることはできませんでした。でもこの時の自分にはそんなことよりも、やっとこのきつい坂が終わるという事実だけで十分満足なのでした。一本目の500mlアクエリアスが切れたので500mlアミノバイタルを補充し、しばらく休憩した後再び出発です。 ご覧の通り、なーんも見えません。でも観光客はたくさんいました。車で来た家族連れはさぞやガッカリでしょうね! ちなみにいろは坂は明智平で終わりではなく、もう少し続きましたが休憩のおかげで難なくクリアすることができました。 グーグルマップを参照するとこんな感じです。 いろは坂を越え下り坂のトンネルを抜けた先で華厳の滝を見物。何年ぶりだろう、久しぶりでした。 そしてその先の中禅寺湖入り口。ここからはしばらく平地となだらかな下りを繰り返す、初心者でも泣くようなことのない楽しい道が続きました。さっきまでの疲労はどこへやら、30〜35km/hくらいの速度でガンガン進みます。 湖沿いを抜けていきます。 竜頭の滝。 そして気がつけば戦場ヶ原。いろは坂の疲れはあるものの、まだまだ平気へっちゃらです。 暑くもなく寒くもなくで、ちょうど良い天候でした。 決して左のほうにフォーカスを合わせたわけではございません。このロリコンどもめ! ここで3本目の水分補給、500ml爽健美茶(五穀)。 戦場ヶ原を抜けた後は、光徳牧場へ寄ってアイスクリームを食べました。疲れた体にアイスが染みてとても美味しかった。 牛がいるのかと思ったらおみやげ売り場だった建物。またしてもこのロリコンどもめ。 |
そして、その事件は唐突に訪れたのでした。 牧場を後にし、木漏れ日のシャワーが降り注ぐまっすぐな直線道路をかなりの速度で走らせていました。あぁ気持ちがいい、本当に気持ちが良いなぁ来て良かったなぁと、さっきまでのいろは坂の大変さを完全に忘れてそう思っていた、いやもしかしたら乗りながら実際にそう口に出していたかもしれません。そんなときの出来事です。 格子状の段差に気づいた自分はサドルからお尻を上げて抜重しつつ段差を越えました。想像していた以上の衝撃が腕に来ます。 ガタガタン! という大きな音がしました。続いて カラン!! という音がなりました。一瞬何が起きたのか分からずそのまま自転車を走らせていましたが、今何か落ちた?と思い自転車をチェックします。特に何も無くなってません。サイクルコンピュータ以外は特に無くなっていません。…あれ?あれ?サイコンがありません。さっきアイスを食べた後ちゃんと付けたはずなのに付いてません。 えっ…サイコン…落ちた…?今の衝撃で…? Uターンし、サイクルコンピュータの捜索が開始されました。 しかしまさしろさんと二人で30分くらい探すも、結局見つかりませんでした。ここでこれ以上探しても無駄と判断した自分はサイコンの捜索を打ち切ることにしました。Amazonで4800円で購入した子でした。今日までの積算距離は180kmくらいでした。表面の液晶保護シートもまだ貼り付けたままの産まれて間もない子でした。ありがとうありがとう、短い間だったけど自分のために計ってくれてありがとう。いつか通った人が見つけてかわいがってくれますように。 ちなみにCC-RD300Wのレビュー見たら、★一つの人は外れやすいとか壊れやすいと書いててそれがガセネタ書いてるわけじゃないことが分かりました。実際しっかり付けておいたのに外れて飛んでいきましたからね…。物自体はデザインといい見易さといい最高に良い物なんだけどなあ。結局また同じの買いそうだけど。 これがその現場です。左右の草むらをかなり探しましたが見つかりませんでした。この場所は一生忘れることは無いでしょう。呪われている。むしろ呪う。 そんなわけで気を取り直して、ここから先はサイコン無しの旅です。 昼はその先の湯滝レストハウスで舞茸天丼をいただきました。 舞茸天丼(850円) どう美味しかったかと聞かれると説明しにくいですが、うん、美味しかったです。とても美味しかったです。さすが評判いいだけのことはあるなと思いました。でもお腹すいてたから何食べても同じ感想が出てたかもしれない。 湯滝。はいはい、滝滝。 そして再び出発。 この時点で既に疲労はピーク直前になっていたわけですが、本当の地獄はここから始まるのでした。 ルートでいうところのこのあたりです。 見るからに急です。いろは坂を越える勾配が見て取れます。 なんだろう。ここを登っているときの感想を書こうとするとひどいことになりそうです。右側は車やバイクが高速で通り過ぎていき、左側は低いガードレールがあったりなかったり、落ちたら死ぬ高さだったりそうじゃなかったり、野生動物のうんこがあったり地面が崩れて段差になってたり、汗だくだったり息が荒かったり、きつかったりきつかったり、何で俺こんなことしてるんだと思ったり、XXXをXXえたり。 500m進んではいったん休憩を繰り返し登っていきました。 ずっとまさしろさんに言われていた、 「金精峠を越えたらあとずっと下りだからがんばれ!」 その言葉を胸にペダルを漕ぎ続けました。 ここでちょうど中間地点くらい。正直景色を楽しめる余裕は全くありませんでした。 ゼーハー ゼーハー なんだこのギア、これ以上軽くならないのかこのうんこ自転車 荷物が重い 苦しい 休みたい ゼーハー ゼーハー 休みたい ゼーハー ゼーハー なんて登っていたときの心情をここに表現しても面白くないので写真でも載せます。 さっき通ってきた湯の湖や戦場ヶ原が見えます。 中央付近にみえるトンネルから撮影場所まではそんなに離れてないのにかなりの高さです。 もう、ゴールしてもいいよね・・・? あかん いいよね? あかん! あかん!!!!! もうすぐ下り坂 もうすぐ下り坂 もうすぐ下り坂 もうすぐ下り坂 そんな言葉が頭をぐるぐるまわりつつペダルを漕いでいるとついに ついに ついに 金精トンネル ゴールです ゴーーール!!!!!!! 海抜1843m。 もう本当に限界。よくこんな坂を登ってこれたと自分を褒めてやりたい気分になってました。 そんなわけでここでまたしばらく休憩した後出発。このあと長いトンネル内も緩やかな上り坂ではありましたが、それまでの勾配に比べれば余裕です。体力的には余裕なんてものじゃなかったですけどね。 そしてとうとう下り坂ジェットコースターステージの始まりです!!! すごい!すごいよ!漕がなくても進むよ! そんなわけでしばらくものすごい下り坂です。サイクルコンピュータが付いていれば最高時速何キロ出たか計測できて面白かったんですけど、紛失してしまったのでわかりませんが、まさしろさんと同じかそれ以上の速度が出ていたので60〜65km/hくらいは出ていたと思います。かといってブレーキしないとガードレールを越えてタイムリープしかねないのでカーブでは速度を下げます。それでもかなりの速度が出ました。頭の中ではリッジ6あたりのBGMが永遠流れアドレナリン出っ放し。一度でも転倒したら無事では済まされないと分かっていつつも、そのスピードに酔いしれます。『茄子〜スーツケースの渡り鳥〜』でもかなりの速度で下っている3D処理されたシーンがありましたが、まさにあれと同じでした。あまりに速いので感覚が麻痺してた気がします。車道幅も結構広かったというのもあり、今まで体験したことのない空気抵抗を体にあびます。背後から迫る車は直線では抜いてくるものの、カーブではかなり速度を下げているのでこちらのほうが速い。ただ道路がデコボコしている部分にだけは気をつけなければなりません。ロードタイヤなので小さな段差でも物凄い衝撃が来ます。ヘタをすれば吹っ飛びます。路面の色の変化に神経を集中させ続けつつ下り続けました。長い直線の下りでは漕がなくても進むと分かっていても思わず一番重いギアで漕いでしまいます。もっと速さを!速さが足りない!まさに気分はストレイトクーガー。 ちょうどこのあたりです。 ずっと下りといっても体力使わないわけでもないんですね。まずブレーキを握り続ける手のひらが結構きつい。そして常に頭を上げて先の道に集中していなければならないので首が痛い。 このときはまだその先の上り坂に気づいてはいないのであった。 そして最後の観光スポットに到着です。 自転車を置きかなりの距離を下る。 岩がきもくてでかい。でかすぎる。恐怖を感じるほどに。なんか正面から見た魚の顔に見えますね。 吹割の滝というそうです。 ここはすごかった。今日観た観光地の中で一番素晴らしかったです。限界ではありましたがこれは楽しめました。もう少し早めに来てればもっと先のほうまで見られたかもしれません。できればもっと体力に余裕のある状態で見たかった。 そして やつは突然現れました。ずっと下りだと思っていた道にちょくちょく上り坂が現れるようになってきました。下りで体力はそれなりに回復していたのでたまに現れる上り坂程度ならなんとか登りきれるレベルだったのですが ずっと下り坂じゃねえのかよおおおお!!!!! 騙されたあああああああ…!!!!! 泣きました。心の中で号泣しました。 まさしろさんは気が付けば遠くまで行ってしまい見えません。これがしょっちゅう自転車で峠越えしている人間とそうでない人間の差です。もう構わず休みながら進みました。 そう、ラスボスがいたのです。グラフでみると前のふたつの峠に比べれば大したこと無いようにみえますが、もうほとんど限界状態で金精峠を越えた自分にとって、いくら下り坂であっても体力が一定以上回復することはなかったのです。 このラスボス、椎坂峠というそうです。おそらく体力が減っていない状態ならなんとか登れる程度の坂道だったでしょう。でもこの時点での体力は間違いなく限界だった。例えるなら、持てる力を全て尽くし、温存していたラストエリクサーなども使い尽くしやっとのことでボスを倒したと思ったら連戦で続けざまに新たなボスが現れた感じ。しかも普通そういうときってこちらの体力全回復してくれるものなのに襲い掛かってきたわけです唐突に回復もなしに。そらね、最初の一撃で全滅ですよ。ゲームオーバーですよ。リトライしたら前のその前のボスからやり直しですよ。無理ゲーってやつですよ。 もう無理\(^o^)/ はい死んだー\(^o^)/ イエーイ\(^o^)/ \(^o^)/ \(^o:;.:... :... このときの状態を文章で表現するのは難しい。魂が抜けた状態みたいな。 どのくらい走ったでしょうか。峠のラスボスを抜け再び下りに入ります。しかし下りを楽しむ余裕などありません。ただひたすらにペダルを漕ぎ続けました。徐々に日は暮れポツポツ雨も降ってきました。 疲労は完全にピーク。特に言葉も出てきません。まさしろさんはたまに止まって景色を楽しんでました。でもこのときの自分には景色なんてどうでも良かった。 街中の道、ひたすら下りが続きました。 時間はPM:7:00。 ついに沼田駅にたどり着く。 帰りのガラガラの高崎線の中で唯一開いていた駅中の吉野家で買った牛丼食べたあと寝る。気づいたらちょうど大宮で慌てて起きた。もう完全に体力はゼロっていたので人目も気にせず駅前で自転車組み立てて乗って帰宅。シャワー浴びて即就寝。 ----------------- 走行距離:103km 平均速度:17.3km/h 最高速度:61〜64km/h? 消費カロリー:約4400Kcal (自分のは紛失したのでまさしろさんのサイコンより参照) 消費した500mlボトル: アクエリアス→アミノバイタル→爽健美茶(五穀)→バヤリースオレンジ→ 伊右衛門 ----------------- ほとんどトイレ行きたくならなかったから飲んだ分はほぼ全て発汗したっぽい。汗かきすぎや。 峠を登っている間は峠越えなんて二度とするか!峠初心者の自分にはハードル高すぎる!と心底思ったりもしましたが、とても良いひと夏の思い出になったのでした。そういえば途中自転車をかついで観光スポットを周ったりもしましたがもう忘れました。この日記書いてたらあのときの疲れを思い出してうっへり。 おしまい。 |